友情から恋に変わるまで
放課後になり、騒がしくなる教室。

「じゃああたしバイトなんで!また明日ね!」

バイトへと急ぐ愛梨を教室で見送り、のんびりと荷物をまとめる私。
別にのんびりした性格じゃないのになぜゆっくり支度するのか。
それは早く行き過ぎると部室の鍵を取りに行くハメになるからだ。
我ながらズル賢い。

クラスメイトに貰った飴を口の中で転がしながら部室へ向かう。

部室に入ると既に先客がいた。
ひとつ上の拓海先輩。私のダル絡みターゲット。

「あれ?まだ拓海先輩だけ?皆今日は遅いですね〜」
「竜也はトイレ。修平は知らんけど…まだなんじゃないかな」

あ、本当だ、竜也先輩の荷物あった。

「じゃあ拓海先輩2人っきりですね!?きゃ〜!」
「いやいやいやいや竜也すぐ来るからw」

私の扱いに慣れた様子で笑いながら受け流される。
前までは
「何言ってんの!?やめろやめろ皆もそんな目で見んなって!」
って初々しい反応してくれたのになぁ…

ひとりでしみじみしながら自分の定位置につくと竜也先輩が帰ってきた。

「お、拓海と美月だけで居たのかよ〜!
やめろよな〜ここ皆の部室なんだから〜!」

と、ニヤニヤしながら。とてもウザい。

「別に何もねえって〜!な?」

拓海先輩がツッコミを入れ、私に同意を求める。
正直不満だけど面白そうだから竜也先輩にのってあげることに。

「竜也先輩とイチャイチャしてました!」
「おーい!?」
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