Wエース
なんて言ってたら、笠原は俺の胸ぐらを掴んできた。


「取られたぐらいでこんな事すんなよ。

“誰にも取られない”とか思ってたのか?」


「うるさい!一般庶民が俺に文句言うな。」


「お前、何様のつもりだよ!!!」


「お前よりは地位が高いんだよ」


は?


なんだよそれ、そんな事ないだろ??!



『彼は中学時代、“天才エース”って言われてたんだよ』


そう言えば、入学してすぐに真盛がんな事言ってたな。


天才が故に、“1番強い”って思ってるんだろうな。


「なるほどな……。

お前が強いって言われてたのは中学なんだろ」


「高校でも言われる」


「その自信はどっから来るんだか」


これはこの前、瑠翔が言ってた。


『中学の頃の実績はあくまでも中学でしか通用しないけどね』


その気持ち、よく分かる。


「喧嘩すんな、次行くぞ」

「「はいっ」」


笠原と同じポジションで練習するとか。


最悪だな!!


「洒落にならねーな……。」
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