Wエース
智樹side


大紀が笠原のスパイクを、きっちりセッター前にレシーブしたのには驚いた。


いつの間に、強くなったんだよ、大紀!


それに比べて俺と言ったら……。



監督には多分バレてない。


でも、大紀にはバレそうで怖いら…。


ちなみに言うと、真叶にはバレてる。


なんでかって、真叶の観察眼はかなり凄いからな。

恐るべしって感じ。


「大紀、次はお前だ。さっさと定位置につけ」


「あ、はい」


「絶対にとる」


「行くぞ」


俺は大紀が好きなヤマなりのトス。


昔からこのトスばっかり練習していた。


それは、大紀が好きだって、知っていたからに決まってる。


「お前のスパイクはこんなもんかよ。それなのにあんな大口叩いたのかよ」


「何がいいたいんだよ」


「お前みたいな奴を選ぶなんて、監督も目が曇っていると思ってな」


「は?」


「スタメン何かにしたら、即試合が終わるだろうな」


おい、それ以上言ったらいくら大紀でも…!
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