セトモノのココロ
瞳子
昨晩の雨の名残。庭の芝生がキラキラとしている。
「早く支度なさい。」瞳子は視線を外して、美月に声をかける。
「今日は、夜、同窓会なの。あなたにやっておいてほしいことがあるの。」

証券マンの夫は接待ゴルフ。夜は美月と2人だから、晩御飯のことを考えておかなければならない。

瞳子は早口でそう言った後、カバンから手を出して、考えこんだ。
「行きたくないのだけど・・・」
思わず口に出して、溜息をついた。
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