記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「あぁ……ここは、空が近いね」


あの日の彼に、そう返事を返した。

視界いっぱいに、贅沢なほど美しい青空を見上げる。


ねぇ、何を想って、この空を見上げていたの?

もう二度と言葉を交わす事が出来ない彼に問いかけた。



『君は、特別なんだね』


彼は、私の力の話をすると、私を特別だと言ったっけ。


どうして、彼に力の事を話そうと思ったんだろう。


今でも、不思議だけど、私はなんとなく、彼から私と同じ、"孤独"を感じ取っていたのかもしれない。


そして……。


『なら、これを』


そう言って渡してきた、銀のイヤーカフ。


それを見て、ハッとする。


このイヤーカフ、あの記憶の中の男の子がつけてたやつと同じ……。






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