記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「せ、先輩??」
「うし、これでOKだ」
「??」
蒼大先輩から返されたスマホの画面を見ると、電話帳に、『最上 蒼大』の文字。
電話番号と、メールアドレスまで入っていた。
「そ、蒼大先輩、これ……」
「いつでも連絡してこいよな、俺も……連絡するからさ。これなら、離れてても、すぐに声が聞こえるだろ?」
「………は、はいっ、ありがとうございます!」
私は嬉しくて、スマホをギュッと抱き締めた。
どんなプレゼントよりも、蒼大先輩の気持ちが嬉しい。
声を聞きたいって言ってくれた!!
つい笑みを浮かべると、蒼大先輩は私の頭をポンッと撫でる。
「また明日な、静月」
「はい、また明日、蒼大先輩」
手を振る蒼大先輩を背に、私が家へと入ると、それを見届けた蒼大先輩も帰路へついた。