記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
翌朝、私は家の前で蒼大先輩を待っていた。
どうしてかというと、遡る事1時間前、私のスマホが珍しく震えた事から始まった。
「え……?」
朝食をとっていると、テーブルの上のスマホが鳴った。
手元に寄せて、画面を確認すると、ドキンッと胸が跳ねた。
『最上 蒼大:今日、朝一緒に行かないか?迎えに行く』
「そ、蒼大先輩っ??」
つい声を上げた私に、おばあちゃんが笑う。
「嬉しそうだねぇ、静月」
「そ、そんな事ないよ……」
照れ臭くて、つい思っている事と反対の事を言ってしまう。
だけど、おばあちゃんには筒抜けだろう、この私の胸の高鳴りに。
私は、『待ってます』とだけ返事を返して、朝食の目玉焼きを、口に放り込んだのだった。