記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「おはよう、静月!」
「あっ……おはようございます、蒼大先輩」
蒼大先輩が、私に手を振りながら駆け寄ってくる。
私もたまらなく駆け寄った。
ぶつかるようにして向かい合うと、私たちは笑った。
「ハハッ、なんかドラマの1シーンみたいだな。あの、会いたかったーって、やつ!」
「ふふっ、私も思いました」
2人で笑いながら歩き出すと、「2人とも、行ってらっしゃい」とおばあちゃんが私達に手を振る。
「「行ってきます!」」
声を揃えておばあちゃんに手を振り返し、私は蒼大先輩と肩を揃えて学校へと向かった。
「静月、俺決めたんだ」
「え……?」
蒼大先輩は、前を見つめたまま、突然そう言った。
首を傾げると、蒼大先輩はそっと私の手を握る。
ートクンッ
あ……これは、蒼大先輩のじゃない。
私が、蒼大先輩にドキドキしてるんだ。