記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
『もうっ……無理だよ、源っ……』
床に手をついて、一人、放課後の教室で泣き続ける秋乃先輩の姿。
『おい、人殺しの彼女~』
『っ!!』
すると、この暗い空気とは相反して、ご機嫌な声が、教室に響き渡る。
振り向けばあの、梶 航平がニタリと笑って秋乃先輩を見下ろしていた。
そして、ズカズカと秋乃先輩に近づく。
『やっ……こ、来ないで……』
異常なくらいに怯える秋乃先輩を、容赦なくドンッと、その足で蹴り飛ばした。
やだっ……何、何これっ……。
『きゃっ……や、止めてっ』
『もう、アイツはクラスの人気者じゃなくて、人殺しだ。人殺しの彼女も、同罪なわけ』
ードカッ!!
『い、嫌っ……嫌ぁっ』
その足が、容赦なく秋乃先輩の体を痛みつける。
自分の見ているモノが、頭で理解出来ない…いや、したくなくて、頭が混乱していた。
や、止めて……止めて、止めて、止めてっ!!
私は、駆け寄り、秋乃先輩を庇うように立つ。
でも、傷つける足は私の体をすり抜けて、秋乃先輩を傷つける。