記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
ーキィィッ
すると、背後で屋上の扉が開く音がした。
振り返ってすぐに、「源(げん)っ!!」という悲痛な声と、見覚えのある黒髪の男の子がそこにいた。
「この人……」
さっき見た記憶と感情の持ち主。
誰かを想って泣き崩れていた男の子。
そして今も……。
私を、誰かと間違えて、泣きそうな顔で立っている。
ヒシヒシと伝わる、切なくて、悲しくて、痛い……感情。
「ごめんなさい……私は、あなたの探してる人じゃない」
ツゥゥっと、頬に温かい雫が一すじ、伝うのが分かった。
こんなに苦しい想いを、目の前の男の子は抱えているんだと思ったら、悲しくなったからだ。