記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「蒼大先輩、手分けしますか?」
「その方が良さそうだよな、授業始まるまでまだあるし、手分けしょうか。俺は下駄箱の方とか見てくるな」
「なら、私は屋上を見てきますね」
「おう、見つけたら連絡してくれ、一人で絶対会うなよ?」
念を押すようにグイッと、私に顔を近づける蒼大先輩に、私は小さく笑う。
「何で笑ってんだ、静月??」
不思議そうに首を傾げた蒼大先輩。
蒼大先輩は、私を心配してくれて、優しくしてくれる。
それは、もう過保護なくらいだけど、それが嬉しいなんて……絶対に言えない。
「なんでもないです、ではまた後で、蒼大先輩」
「お、おう……?」
釈然としないのか、戸惑ったまま返事をした蒼大先輩を置いて、私は屋上へと向かった。