記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


屋上へと続くこの階段を登りながら、私はふと源先輩の事を思い出した。


「…俺のせいか、か……」


記憶の中で、お父さんが死んだのを「俺のせいだ」と言った。


源先輩だけじゃない。


秋乃先輩だって、源先輩が死んだのは自分のせい、梶先輩も、自分が人殺しだって言ってた。


皆が自分のせいだと責める。

……悲しみの連鎖。



「…きっと、それを断ち切るのは、真実を見つけることだよね」


そして、全てが終わったその時が……私と蒼大先輩の別れ。


今は、同じ目的の為に一緒にいるだけだから。


それを、寂しいと思ってしまう自分に気づかないように、目先の事だけを考えよう。


そう、気持ちを奮い立たせて、屋上の扉を開けた。





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