記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「もう……傷つかないで、いいんですっ」


視界が、涙でぼやける。

嗚咽がして、次の言葉をうまく紡げないけど、私はどうしても伝えたかった。


「誰かを責めてないと…自分の気持ちがどうにかなっちゃいそうで、辛いんですよね?」


ー私も、そうだった。


家族に化け物だと言われた時、絆を壊してしまった時、私は真っ先にこの力を憎んで責めた。


そうしている間は、自分のせいだって思わなくて良かったから、楽だったの。



「でも本当は……傷つけてる自分も、傷ついてるんだって」


私は、力を嫌ったけれど、その力も含めて、高塚 静月であって、変えたくても、変えようの無い事実。


私は力を嫌う度に、自分が嫌いになるんだ。








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