記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
『源、話って何??』
『まぁ、まぁ、そこに座って、秋乃』
今より少しだけ幼さが残る源先輩と秋乃先輩が、制服姿のまま、公園の芝生に腰かけたのが見える。
不思議そうな秋乃先輩の顔に、どこかウキウキしたような源先輩。
『付き合って1年だろ、俺たち高2だし、来年終えれば、卒業だよな』
『本当に、早いね。源といると、時間も年月も早く感じるの』
『ハハッ、俺も。だからさ、俺どうしても秋乃に伝えたい事があって』
『伝えたい事??』
首を傾げる秋乃先輩の左手を源先輩が持ち上げた。
『俺は、秋乃の優しい所に、心が休まる。俺の居場所が、秋乃なんだって、秋乃といる時だけは、肩の力が抜けるんだ』
『源……それは、私も同じ。源は、わたしのお日様、いつも明るい方へ導いてくれるの』
『俺が、お日様か……』
それを、嬉しそうに噛み締める源先輩に、秋乃先輩は笑った。