記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


ー7月末。

ついに今日、終業式が行われた。


「皆、体には十分気をつけて、夏休みが明けたら、元気にここであいましょう」


校長先生の挨拶が終わり、ついに明日から夏休みになる。

私は、名残惜しくて、放課後、屋上へと赴いた。


「んうぅ~」


私は、大きく伸びをして、夕暮れの空を見上げた。

どうして夕暮れは、少しこの胸を切なくさせるんだろう。

なんとなく、別れを連想させるからだろうか。


蒼大先輩に会いたい……。

好きだと気づいてからは特に、そう思ってしまう。

私と蒼大先輩じゃ、あまりにも釣り合わないのに。


「会いたい……」


そう口にした瞬間、背後でキィィッと扉が開く音が聞こえた。

反射的に振り返ると、そこには……。


「探したぞ、静月!!」


そこには、笑顔で手を振る蒼大先輩がいた。

私は、嬉しくて蒼大先輩に笑みを浮かべ手を振り返す。




< 203 / 279 >

この作品をシェア

pagetop