記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
ー7月末。
ついに今日、終業式が行われた。
「皆、体には十分気をつけて、夏休みが明けたら、元気にここであいましょう」
校長先生の挨拶が終わり、ついに明日から夏休みになる。
私は、名残惜しくて、放課後、屋上へと赴いた。
「んうぅ~」
私は、大きく伸びをして、夕暮れの空を見上げた。
どうして夕暮れは、少しこの胸を切なくさせるんだろう。
なんとなく、別れを連想させるからだろうか。
蒼大先輩に会いたい……。
好きだと気づいてからは特に、そう思ってしまう。
私と蒼大先輩じゃ、あまりにも釣り合わないのに。
「会いたい……」
そう口にした瞬間、背後でキィィッと扉が開く音が聞こえた。
反射的に振り返ると、そこには……。
「探したぞ、静月!!」
そこには、笑顔で手を振る蒼大先輩がいた。
私は、嬉しくて蒼大先輩に笑みを浮かべ手を振り返す。