記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
ー夏休み
今日は、朝早くから白地に青い花柄のワンピースに着替えて、玄関前に立ち、蒼大先輩を待っていた。
「暑い………」
外へ出て5、6分弱なのに、ダラダラと首筋から汗が流れて、額からも玉のような汗が浮かぶ。
それをハンカチで拭き取りながら、昨日の事を思い出す。
夏休みに入った次の日、『最上 蒼大:源の家に行こうと思うんだけど、明日会えるか?』と蒼大先輩から連絡がきた。
別に、デートっていう訳でもないし、こんな時に不謹慎だけど、何故か服装を気にしてお洒落をしてしまった。
「静月、待ったか……って、熱中症になるから、中で待ってろよな!」
外で待っていた私に慌てて駆け寄ってくる蒼大先輩。
そして、私の目の前にくると、「うおっ!?」と変な声を上げて、フリーズした。