記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「……源の両親に会わせる顔が無い。親友のくせに、何も出来なかった…」
「何もだなんて……」
「イジメの事も、秋乃の事も、家族の事も……。俺は、ただ一回、親友を解消しようって言われただけで、会うのを怖がって、それで大事な親友を失ったんだ」
蒼大先輩が、自分を傷つける言葉を言う度に、私は胸が痛む。
先輩は、先輩なりに頑張ってる、先輩は悪くないなんて、安易に慰めるのも違う気がした。
「蒼大先輩は……辛い思いをするって分かってて、それでも源先輩の為に出来る事をしようとしてます。その思いは、きっと源先輩にも届いてるはずです……」
「静月……あぁ、そうだな、そうだといい」
「きっと、そうです」
そっと蒼大先輩の手を握ると、蒼大先輩は握り返してくれる。