記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
少し古いアパートのような場所。
本当に、ここに源先輩が住んでたの……?
「上がるぞ」
「あ、はい!」
蒼大先輩と私は、アパートの2階まで歩いて、一番端の部屋の前で立ち止まる。
「すぅ、はぁ……」
「蒼大先輩、大丈夫です」
緊張した面持ちで、深呼吸する蒼大先輩に寄り添うと、蒼大先輩は「ありがとう、行くか」と小さく笑った。
ーピーンポーン
私たちは意を決してインターホンを押した。
すると、少しして「はい」と女の人の声が聞こえて、扉がガチャッと開く。
「どちらさまですか……?」
そして、現れた女性に、私は目を見張った。