記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「静月の家族は、生きてるだろう。まだ、ちゃんと言葉を交わすことが出来る」


「……私が、不幸にしたんですよ?もう二度と会わない事が、家族の為……」


「なら、静月の気持ちは!?」


「っ!!」


蒼大先輩の大きな声に、私はビクッと肩を震わす。

驚いて蒼大先輩を見つめると、悲しげに私を見つめていた。


「向き合わなきゃ前に進めないって、静月が言ったんだろ!!今、家族に向き合う時じゃないのか??」


「っ……」


前に、進めない。

それは、薄々私も感じていたけど、やっぱり怖いんだ。

家族に会って、また自分に価値を見いだせない自分に戻ってしまう事が。

蒼大先輩に出会って、やっと自分の価値に気づけたのに…。





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