記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
ーブーッ、ブーッ
スマホが震えて、私はゆっくりと目を開ける。
ディスプレイを見ると、午前10:00。
いつもなら、休みの日でさえ7:00には目が覚めてるって言うのに、寝坊した。
そっと体を起こすと、いつもより体が怠い。
理由は明白で、今日が家族に会いに行く日だったから。
スマホに届いた蒼大先輩からのメールを開くと、『最上 蒼大:起きたら連絡ちょうだい』の文字。
私は、半分寝ぼけながら、通話ボタンを押した。
すると、プルルル、『もしもし』と蒼大先輩はワンコールで出た。
「ごめんなさい、結構寝てしまって」
『昨日考えて、眠れなかったんじゃないか?』
蒼大先輩にはお見通しだ。
その通りで、私は今日が来る何日か前から、眠りが浅くて、寝付くのも朝方だった。
「蒼大先輩にはバレバレですね」
『静月の事だからな』
それって、どういう意味ですか、蒼大先輩。
私の事だから分かるって、まるで告白されているかのように、錯覚しそうになる。