記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


ーブーッ、ブーッ


スマホが震えて、私はゆっくりと目を開ける。


ディスプレイを見ると、午前10:00。

いつもなら、休みの日でさえ7:00には目が覚めてるって言うのに、寝坊した。


そっと体を起こすと、いつもより体が怠い。

理由は明白で、今日が家族に会いに行く日だったから。


スマホに届いた蒼大先輩からのメールを開くと、『最上 蒼大:起きたら連絡ちょうだい』の文字。


私は、半分寝ぼけながら、通話ボタンを押した。

すると、プルルル、『もしもし』と蒼大先輩はワンコールで出た。


「ごめんなさい、結構寝てしまって」

『昨日考えて、眠れなかったんじゃないか?』


蒼大先輩にはお見通しだ。

その通りで、私は今日が来る何日か前から、眠りが浅くて、寝付くのも朝方だった。


「蒼大先輩にはバレバレですね」


『静月の事だからな』


それって、どういう意味ですか、蒼大先輩。

私の事だから分かるって、まるで告白されているかのように、錯覚しそうになる。






< 237 / 279 >

この作品をシェア

pagetop