記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
居間へ行くと、おばあちゃんがご飯の準備をしていた。
「よく、寝てたわね、静月」
「うん、あんまり眠れなくて……」
台所に立つおばあちゃんの隣で、私は一緒に料理を手伝う。
なんとなく、一人でいたくなかった。
何もしていない時間があると、最悪な結末を考えてしまうから。
「静月が、家族と向き合うって言ったとき、おばあちゃんは嬉しかったよ」
「え……?」
朝食に出すおしんこを切る手を止めた。
おばあちゃんを見ると、優しい笑みを浮かべていた。
「……そうだね、親は、子にとって一人きり。たとえ離れていても、父は父、母は母なのよ」
「あっ………」
前にも、おばあちゃんは同じことを言ってた。
そうだ、蒼大先輩が家に来たときに……。
「それに、気づけたんだね、静月」
「……気づかせてもらったの、蒼大先輩や、たくさんの人達に」
正確に言えば、たくさんの、記憶と感情、源先輩を通して出会った人達に。