記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「でも、やっぱり怖い……あの時の事が、忘れられないから」


「お母さんは……怖いんだね」


「怖い??」



おばあちゃんの言葉に、首を傾げる。

私の方が、お母さんに会うのが怖いのに、私が……化け物だから?


「誰しも、心の中を見られるのは、怖いものだよ。知られたくない過去、隠したい邪な感情……。抱かない人間はいないのに、それを普段感じないのは、本人が隠しているからさ」


「私が……隠していたモノを、何も考えずに、暴いてしまったから?」


「静月はまだ小さかった。だから、その力もたらす良い部分の他に、悪い部分にも、気づいていかなきゃいけないね」


おばあちゃんは、私の力を繋ぐ力だと言った。


これは、私自身源先輩の記憶を通して、人と人との想いを繋いでいったから、理解できた。


そして、私の力の悪い所は……触れられたくないその人の邪な部分、闇の部分さえあばいてしまう事。


そして、時にはそれが、何かの崩壊を招いてしまう事。






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