記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
やっと言えた……やっと、言えた!!
「静月……酷い事を言ってごめんなさい。私は、あなたに自分の苦しみを背負わせたの……」
お母さんは、両手で顔を覆って、膝から崩れ落ちる。
私は慌てて駆け寄って、お母さんに触れようとした。
『化け物!!』
「っ!!」
でも、お母さんのあの一言を思い出して、触れるのを躊躇ってしまった。
すると、それに気づいたお母さんが、私の手をゆっくりと握り締めた。
「お母……さん……」
「我が子の手を握ってあげたい、もっともっと抱き締めたい……そう思っても、私から手離したのに、都合が良すぎるわよね……」
お母さんは、涙を流しながら、私の頭を撫でる。
そんなお母さんの言葉に、フルフルと首を横に振った。
「歩み寄らなかったのは、私も同じだよ、お母さんっ」
「独りにしてごめんなさい……っ、私は、この手を離してはいかなかった。大事な、私の娘なのにっ」
お母さんは、ギュッと強く抱き締めてくれた。
その温もりに、涙が流れては、落ちていく。
嬉しくて泣いたのは、何年ぶりだろう……。