記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「お母さんも……静月が大好きよ」


「っ……ううっ、ありがとうっ、ありがとうっ」


私はそのまま泣き続けた。  


涙で海が出来るほどに泣いていたのは、きっとこれまで我慢して泣けなかった反動かもしれない。


私は悲しくない、そんなものいらないって、本当の気持ちから目を逸らしていたから……。


そうする事で、自分を保っていたのかもしれない。

今までのお母さんのように……。


壊れてしまったのなら、繋げていけば良い。



道を間違えてしまったのなら、もう一度正しいと信じる道を探したら良かったんだ。



遠回りしたけれど、私はやっと、自分の居場所を見つける事が出来たんだと思ったら嬉しくて、またポロリと、涙を溢すのだった。









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