記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「行こう、静月」
「………はい、蒼大先輩」
夕暮れに照らされた学校にたどり着く。
夏休みで、こんな時間だからか、生徒がいる気配はどこにも無い。
校舎を見ると、2階の職員室の明かりだけがついているのが見えた。
そして、校門を潜ると同時に、パァァッと、またあの白く輝く光が目の前に現れる。
「着いてこいって事だよな……」
「たぶん……そうだと思います」
「わかった」
そう言って、蒼大先輩が私の手を引いてくれる。
光に導かれるように、校舎へと入ると、光は階段をどんどんと、上がっていく。
なんとなく、屋上へ向かっているように思えた。
そして、屋上前の階段をのぼり始めた瞬間ー。
ーパァァッと、世界が白く輝き、「きゃっ」「っ!?」と、私と蒼大先輩は小さく悲鳴を上げた。
そして、ゆっくりと瞼を持ち上げると、目の前には、あの太陽に透ける金髪、源先輩がいた。
「げ、源っ!?」
蒼大先輩にも見えているのか、驚きの声を上げる。
そして駆け寄ると、その体に手を伸ばした。