記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



「行こう、静月」


「………はい、蒼大先輩」


夕暮れに照らされた学校にたどり着く。

夏休みで、こんな時間だからか、生徒がいる気配はどこにも無い。


校舎を見ると、2階の職員室の明かりだけがついているのが見えた。


そして、校門を潜ると同時に、パァァッと、またあの白く輝く光が目の前に現れる。


「着いてこいって事だよな……」

「たぶん……そうだと思います」

「わかった」


そう言って、蒼大先輩が私の手を引いてくれる。


光に導かれるように、校舎へと入ると、光は階段をどんどんと、上がっていく。


なんとなく、屋上へ向かっているように思えた。


そして、屋上前の階段をのぼり始めた瞬間ー。


ーパァァッと、世界が白く輝き、「きゃっ」「っ!?」と、私と蒼大先輩は小さく悲鳴を上げた。


そして、ゆっくりと瞼を持ち上げると、目の前には、あの太陽に透ける金髪、源先輩がいた。


「げ、源っ!?」


蒼大先輩にも見えているのか、驚きの声を上げる。

そして駆け寄ると、その体に手を伸ばした。






< 262 / 279 >

この作品をシェア

pagetop