記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
ー9月、新学期が始まった。
廊下を歩いていると、また「来た、うちの学校の都市伝説」と噂される。
視線を向ければ、「馬鹿、目合わすな!!呪われんぞ!!」とまたもやお決まりの台詞。
前ならくだらない、バカらしいって思ってたけど……。
「おはよう!」
そう笑顔で挨拶をする。
すると、噂をしていた生徒たちは驚きに目を見開いた。
「あれ、もっと怖そうなイメージだったのに……」
「以外に普通じゃね?」
良かった、どうやら効果はあったみたい。
私はあの日から、自分の思いを隠さずに、発信しようと決めてる。
最初から無理だって、決めつけないで、やれる事をやるって決めたから。
まずは、自分でこの学校に居場所を作る、それが目標だ。
そして、始業式が始まる前に、私は屋上へと向かう。
階段を登り、重く錆び付いた屋上の扉を開くと、眩しい太陽の光が降り注ぐ。