記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「おはよう、静月」
「おはよう、おばあちゃん」
朝、顔を洗って居間へ行くと、おばあちゃんが、朝ごはんを並べている所だった。
うちは、昔からある日本家屋で、庭つきの平屋に、縁側や雪見障子などのある古い一軒家だ。
「ニャア」
「あ……ノラだ」
私は、毎度うちの庭に入り込んではエサをねだるノラへと近づく。
私が縁側に腰かければ、膝の上にちょこんと乗って来る、図々しいノラ。
「朝ごはんなら、今おばあちゃんが準備してくれるよ」
「ニャア」
その頭を撫でてやれば、ノラから伝わるポカポカとした、ホッとするような感情。
安心……してくれているみたい。
感情を感じる事ができるせいか、昔から動物には好かれる。