記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
昼休み、さっそく私と蒼大先輩は屋上で待ち合わせをした。
私はコンクリートの上に座り、膝の上にお弁当を開く。
すると、コンビニで買ったおにぎりを頬張る蒼大先輩が、「うまそーな弁当だな!」とお弁当をのぞき込んできた。
「おばあちゃんの手作りです……」
こんな時、私の手作りですって言えたら、どんなに良かったか……。
内心ガッカリしながら、私はお箸でだし巻き卵を掴み、口の中に放り込んだ。
「へぇー、親じゃなくて、おばあちゃんが作ってんのか。珍しいな」
「あ………は、はい……親が忙しいんです」
そうか、普通は親が……お母さんがお弁当を作るよね。
おばあちゃんが作るなんて、変だと思われた?
「そーなんか、まぁ、うちも同じだな。父親が死んでからは、女で一つで俺を育ててくれてる」
「蒼大先輩のお父さんは……亡くなられてたんですね。なんか、ごめんなさい……」
「ん?俺が勝手に話しただけだろ、静月が謝る事ないぞ?」
蒼大先輩は「気にするな」と私の頭をポンポンと撫でる。