記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



「俺が強くいられるのは、たぶん源の事を本当に大事な親友だと思ってるからだな。アイツの事は、世界が敵に回ったって信じる」


「源先輩……どんな人だったんですか?」


「俺と源はさ、高1の時に同じクラスになって、俺が最上だろ、源は茂木(もぎ)って名字だったから、席があいうえお順で前後だったんだ」


蒼大先輩は楽しかった日々を思い返すように、笑みを浮かべながら、青空を見上げた。


源先輩、茂木 源って言うんだ……。

改めて、私が源先輩の事を知らないのかを思い知らされた。



「なんつーかさ、何か共通のスポーツをやってたとか、好きな音楽があるとか、そういうのは無かったんだけどな……」


「なら、どうやって親友になったんですか?」


「源とは、波長が合うって思ったんだ。まぁ、アイツも同じ感じだったんだと思う」


波長……。

そういう友達のなり方もあるんだ……。

私にはそう呼べる人がいないから、分からないけど、そんな人そうそう現れないよね。





< 49 / 279 >

この作品をシェア

pagetop