記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



私は、いつものように屋上の扉を開け放つ。


ここへ来るのは、あの澄み渡る青空を見上げる為。

悩みもこの広い空に比べたらちっぽけな事に思えるからだ。


ーキィィッ


そして開いた扉の向こう、太陽の光が、私に降り注ぐ。

その中に、誰かが立っているのに気づいた。

その誰か……彼は、太陽の光に透ける、金髪だった。


だからか、今にも光に溶けてしまいそうで、消えてしまいそうな、そんな錯覚を覚えた。



『いつもここに来るの?』


見た事もない金髪の男の子に、私は無意識に歩み寄る。



ー良かった、幻じゃない。


あまりにも派手な髪色なのに、彼から感じたのは、儚さだった。



『うん、一人になりたくて。あなたは?』


咄嗟にそう返すと、彼の隣に、私は立った。

そして、同じように青空を見上げる。



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