記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


『その目で、人を呪えるって本当?』


この人、私の噂知ってるんだ。

あんな、嘘でたらめの噂、この人は信じてるの?



『そんなわけないよ、呪えるならとっくにやってる』


『ハハッ、君は強いね』


ー私が強い??


不思議な事を言うんだなと思った。


私は弱い……。

噂されてても、言い返せないで、心の中で相手を卑下する。


そんな噂に怯えて、人を蔑む事でしか友達を作れない、生きていけないなんて、馬鹿な人達だって……。


『でも、触れたモノの記憶と感情を読み取る事は出来る』

『へぇ……』

『信じてないでしょ』


私も、いったいどうしてこんな事この人に話しちゃったんだろう、私の馬鹿!!


………と、自分を責めずにはいられない。









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