記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「来た、うちの学校の都市伝説」


「馬鹿、目合わすな!!呪われんぞ!!」


学校の廊下を歩けば、ほら、この通り、お昼時、あれだけ混雑していた廊下に道が開ける。


くだらない、バカらしい噂にみんなが騙されてる。


遠目に私をチラチラと見つめる、怯えや蔑みを込めた視線にも、いつの間にか慣れた。


この学校で私についたあだ名は、『化け物』。

このエメラルドグリーンのオッドアイが原因だ。


私は、都市伝説でも、ましてや呪ったりなんて出来ないのに…。


いくら気味悪いからって、そこまでバイ菌扱いされると、やっぱり…ね。


でもまぁ、罵声を浴びせられるよりずっといい。


腫れ物に触るみたいに、遠ざけられた方が、ましだ。


私が、一人でいればいいだけの話……。

私は、この人たちとは違う、こんな、人を蔑むような人たちとは……。

だから、仲間なんていらない、一人でいい。


お昼休み、必ず私が向かう所。

それは、この学校で一番、空が近い場所。




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