記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
振り返ると、肩で息をする蒼大先輩がいた。
私の腕を引いて、立ち上がらせてくれる。
「歩けるか、静月!!」
「は、はい……っ」
立たせてもらって、蒼大先輩に支えられながら、無事に横断歩道を渡る事ができた。
「静月、あんな所で座り込んで、危ないだろ!!どうしたんだ!?」
「……感情が……流れてきて……っ」
思い返すと、またブルブルと体が震える。
そんな私の手を、蒼大先輩はギュッと握ってくれた。
「……そんな、動けなくなるくらい、強い感情が流れて来たのか?」
「すごく、引っ張られた……悲しみと絶望が強くて……っ」
「静月……」
蒼大先輩は何か言いたそうに私を見つめると、優しく抱き寄せた。
それに驚いて、蒼大先輩の顔を見上げる。