記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「蒼大……先輩?」
「静月、もう力を使わなくていいって……言うのが一番なんだろうけど……」
迷う瞳が、私を見つめて切なく揺れる。
蒼大先輩……。
蒼大先輩の言おうとしている事が分かる。
先輩は、それでも源先輩の事を諦められない。
私と源先輩の間で苦しんでる。
でも、それがなぜか……すごく、嬉しい。
「ふふっ………」
「静月?」
笑う私を不思議そうに見つめる蒼大先輩。
「蒼大先輩、その気持ちだけで……私は嬉しいです」
「嬉しい?」
「嫌いでたまらなかったこの力を必要としてくれて、私の事を心配してくれて……」
これ以上に望む事なんて、あるのかな。