記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「こんな私に、優しくしてくれてありがとうございます」
「静月……」
笑顔を浮かべると、何故か蒼大先輩は悲しそうな顔をした。
ーズキンッ
「え……?」
胸がチクリと針に刺されるような痛み。
そして、今の蒼大先輩から感じる……『悲しみ』。
どうして、蒼大先輩は今悲しんでいるんだろう。
今の短い時間の中に、私が何かしてしまった??
頭の中に浮かぶ、いくつもの『?』に、私は戸惑っていた。
「どうして、蒼大先輩悲しんでるんですか……?」
「っ………そっか、静月には分かるもんな。俺、悲しいのか……あぁ、そうだな」
蒼大先輩は何度か納得したように頷くと、私を真っ直ぐに見つめた。