記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
『何で、俺に何も言わなかったんだよ!!』
取っ手にすがりつき、涙を流す、黒髪の男の子。
右耳の銀のイヤーカフが印象的で、どこかで見た事があるような、既視感。
溢れるように、怒濤に流れ込んでくるのは、『悲しみ』『苦しみ』『痛み』『後悔』そして……『友愛』。
ノイズが無い……すごく、強い想い。
強すぎる思いに、心が引っ張られそうになる。
ーズキンッ、ズキンッ!!
この、心臓を抉る痛みが、この記憶と感情の持ち主の痛み。
私は、胸を制服のYシャツの上からおさえて、泣き崩れている男の子へと手を伸ばす。