記憶の中で生きる君へ、この空に誓う




蒼大先輩と並んで学校まで来ると、下駄箱へ辿り着いた途端、たくさんの視線を感じた。


………?

なんだろう、すごく皆に見られてるような気がする。



「静月、秋乃の所へ行くのは、昼休みで良いか?」


「あ、はい………」


生返事を返すと、「蒼大っ」と語尾にハートが付きそうな甲高い声が割って入ってきた。



「あ、鈴川か、おはよう」

「おはよう、蒼大。ねぇ、薪と一緒に教室いこっ?」


どうやら、鈴川 薪(すずかわ まき)さんというらしい。

蒼大先輩にタメ語だから、この人も、先輩かな。


「待ってよー、あたしも一緒に行く~」

「ちょっと、邪魔」


蒼大先輩の周りには、女の子達の群れが出来る。

呆然とそれを眺めていると、ドンッ!!と、女の子が私にぶつかってきた。


ードクンッ


「っ………」


ぶつかった瞬間、女の子の感情が伝わってきた。

あぁ……このドロドロとした、感情は……『嫉妬』だ。


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