記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
そうだよね、蒼大先輩はカッコいい。
だから、私なんかと一緒にいたら、まずい事になる……。
これは、私も巻き込まれる予感……。
そして案の定、「あなた、蒼大に話しかけるとか、正気?」物凄い形相で睨まれた。
危機察知能力に目覚めたらしい私は、蒼大先輩のとりまきから一歩身を引く。
「変な目……気持ち悪い」
「あぁ、この子、うちの学校の化け物じゃん」
「化け物って?」
「目が合うと呪われるらしいよ!」
「えーっ、今、がっつり目合ったんだけど!!呪われる~、キャハハッ!!」
とりまきの女の子達が、私を蔑んだ目で見てくる。
蒼大先輩は、他の女の子達に囲まれていて、私に気がついていない。
その視線と、流れ込んでくる『妬み』『軽蔑』『嗜虐心』に、吐き気がしてきた。
「うっ………」
気持ち悪い……っ。
口を片手で覆って、ゆっくりと後ずさる。
その瞬間、「静月、大丈夫か!?」そう言って、蒼大先輩がとりまきの女の子を掻き分けて私の所へと来る。