記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「目、離して悪かった!!何かされたか!?」
心配そうな蒼大先輩の顔に、私は首を横にフルフルと首を横に振った。
私みたいな化け物と、蒼大先輩とじゃ天と地の差がある。
本当なら、言葉も交わしちゃいけなかった。
「……大丈夫です、少し保健室に行きます」
「俺もついてく、一人では行かせられない」
そう言って私の手をとる蒼大先輩。
それを、咄嗟にバシッと振り払ってしまった。
「し、静月っ!?」
「………すみません、今は一人にして下さい。大丈夫です、約束は果たします、昼休みに、屋上で待ち合わせで」
驚いている蒼大先輩から逃げるように、駆け足で保健室へと走った。
失礼だったと思う。
だけど、なんだか私と蒼大先輩の生きている世界が違いすぎて、怖くなった。
蒼大先輩のおかげで好きになれそうだった自分が、また嫌いになる。
結局、私は仮病で一時間目の数学を休んでしまった。