記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
昼休み、重い足取りで屋上に続く階段をいつもよりゆっくりと登る。
蒼大先輩の手を振り払った手前、会いに行くのが少し怖くなった。
「はぁ………っ」
大きなため息一つ。
逃げられるなら、今すぐ逃げたい。
だけど、蒼大先輩との約束を無下に出来ない私は、心を決めて、取っ手に手をかけて回す。
ーキィィッ
扉が開き、私は屋上へと出る。
すると、先に来ていた蒼大先輩が私を振り向いた。
「静月、体は大丈夫か??」
「……えーと、はい……大丈夫です」
「そうか……悪いな、体調悪いのに、付き合わせて」
蒼大先輩は心配そうな顔で、私に近づいてくる。
そして、蒼大先輩が傍までやってくると、ポンッと私の頭を撫でた。