記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「静月が大丈夫なら、行こうか。秋乃の所にさ」
「はい」
すると、蒼大先輩は何故か私の手を握って、歩き出した。
「あ、あのっ??」
「傍にいさせてって言ったろ?逃げられないように、保険だ、保険」
「は、はぁ……」
ちょっと意味が分からないけど、繋いだ手から伝わる、蒼大先輩の私を気遣う感情に、今度は手を振り払うなんて出来なかった。
「秋乃さんって、どんな人ですか?」
2人で階段を降りながら、少し前を歩く蒼大先輩に尋ねる。
源先輩の彼女で、名前は秋乃さん。
私に分かるのはせいぜいそこまでだから、秋乃さんがどんな人なのかが分からない。