記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「久しぶりだな、秋乃」


「本当、久しぶり……蒼大は、元気だった?」


本当に久しぶりなのか、2人の会話は少しぎこちない。


というより、秋乃さん……秋乃先輩が、蒼大先輩の顔を見ようとしてないんだ。


暗く、少しやつれたような顔をしてる。


「あぁ、それなりにな。……秋乃は?」


「………うん、元気だよ」


秋乃さんの声が、少し硬くなった気がした。

何かを恐れているような……そんな感情を感じる。



「今日は、秋乃に聞きたい事があって呼んだんだ」

 
「っ………うん」


「………源の事だ」


「っ!!」


源先輩の名前が出た途端、秋乃先輩の肩が跳ねた。

そして、自分の体を抱き締める秋乃先輩。





< 88 / 279 >

この作品をシェア

pagetop