記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「秋乃……秋乃は、源が死んだ理由、知ってるか?」


「っ………話って、その事?」


「あぁ、俺たちは、源が自殺した理由を探してる。秋乃なら、何か知ってると思ったんだ」


秋乃先輩は、ガタガタと震えていた。

それは、何かを恐れているようで、私は咄嗟に、その肩に手を伸ばす。


そして、肩に触れた瞬間ー。


『私が殺した』


「えっ………?」


聞こえてきた一言に、私は目を見開く。


そして、世界はセピア色に変わり、体育館裏にいたはずの私は、教室で崩れ落ちる秋乃先輩の姿を見つめた。


『わ、私が殺したんだ!!』


夕暮れの教室で一人、泣き叫ぶ秋乃先輩。


私はそっと、秋乃さんに歩み寄る。


すると、秋乃さんは、左手の薬指にはめられた銀の指輪を見つめる。







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