記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ!!』


ーズキンッ、ズキンッ!!


っ………秋乃、先輩……。

『痛い』、『苦しい』、『悲しい』。


何かに必死に謝り続ける秋乃先輩の姿は、見ていられないほどに痛々しかった。



「静月、大丈夫か!!」


「あっ………あぁっ」


「静月っ!!」


そこで、一気に景色に色が戻る。

なのに、私の視界はぼやけたままだった。


「は、はい………大丈……」


頬に何かが伝うのを感じて、私が泣いている事にようやく気づく。

 
蒼大先輩に支えられると、その触れた手から、温かく優しい気持ちが伝わってくる。


あぁ……、蒼大先輩の心はいつも温かい。

感情にのまれても、蒼大先輩の感情が私を引き戻してくれる。




< 90 / 279 >

この作品をシェア

pagetop