記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「あれ……本当は嘘なんです」
「嘘?なんでそんな嘘をついたんだ?」
「……それは、私が家族を壊したから…。それを、知られたくなかったんです」
私の辛かった重い過去を話したら、少しは蒼大先輩の悲しみも軽くなると思った。
例えるなら、あの青空の広さ、青さを知った時、その悩みがちっぽけに思えるのと同じように。
「今は、聞いてもいいのか?静月の、辛い過去なんだろう?」
「はい、蒼大先輩に……聞いてほしいんです」
「そうか、なら聞かせてくれ。でも忘れるな、俺は静月のどんな過去を知っても、今こうして目の前にいる、優しい静月が、俺の知る静月だ」
「はい……ありがとうございます、蒼大先輩」
励まそうと思ったのに、逆に励まされてしまった。
やっぱり蒼大先輩には、敵わない……。
「私は、4人家族で、下に妹がいました……」
「静月は姉さんだったのか、なんか不思議な感じだ。俺は、静月の事妹みたいに可愛いって思ってたからさ」
「妹……可愛い…あ、ありがとうございます」
妹っていうのは、なんだか複雑な気分だけど、可愛いっていうのは、やっぱり照れた。