記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



「本当に仲良しな家族だったと思います。私が……ある一言を口にしなければ」



『お母さん、今日は男の人に会わないの?』


『し、静月?何を言ってるの?』


そう、お母さんが私の髪を結んでいた時にこぼしてしまった一言。



「お母さんが、男の人と浮気してる記憶を見たんです。小学生だったし、言ってはいけない事だって……分からずに言葉にしてしまった……」


「っ!!」
 

蒼大先輩が息を呑んだのが分かった。


『男だと、どういう事だ!!』


『違うのよ、違うのよあなたっ!!』


『あなたのせいよ……この、化け物!!』


『お姉ちゃんは……疫病神だよ』


たくさんの声が私を責める。

ズキズキと、頭痛がした。




< 98 / 279 >

この作品をシェア

pagetop