記憶の中で生きる君へ、この空に誓う
「本当に仲良しな家族だったと思います。私が……ある一言を口にしなければ」
『お母さん、今日は男の人に会わないの?』
『し、静月?何を言ってるの?』
そう、お母さんが私の髪を結んでいた時にこぼしてしまった一言。
「お母さんが、男の人と浮気してる記憶を見たんです。小学生だったし、言ってはいけない事だって……分からずに言葉にしてしまった……」
「っ!!」
蒼大先輩が息を呑んだのが分かった。
『男だと、どういう事だ!!』
『違うのよ、違うのよあなたっ!!』
『あなたのせいよ……この、化け物!!』
『お姉ちゃんは……疫病神だよ』
たくさんの声が私を責める。
ズキズキと、頭痛がした。