雨宿りの星たちへ
 


『とにかく明日、美雨は一歩も外に出るな。学校も、来なくていい。絶対に休むんだ』

『それで……未来を変えられるんですか?』

『……わからない。だけど、出来る限り、俺が見た未来に近付かないようにしよう』


そう言って、私の手を強く握った雨先輩。

一週間前、先輩が見た未来の私は、制服を着て雨の中を必死に走っていた。

だから、雨先輩は今日は家から一歩も出るなと私に言ったんだ。

そうすることで、少しでも先輩が見た未来から私を遠ざけることができるかもしれないから。

雨先輩が見た私の未来を、変えることができるかもしれないから。


「でも……」


……でも。以前、雨先輩は私に、こうも言ったんだ。

『未来に起こる出来事は、どんなに避けようと思っても、必ず起きてしまう』……って。

『無理矢理避けようとしても、最悪の未来を起こすために美雨を家の外に引きずり出す " 何か " が起きる』……と、雨先輩は言っていた。


 
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