圭哉くんは俺様且つ暴君。
「なら、私も隠す必要ないや。
私ね、普段はこんなフォーマルな服装なんて着ないし、ガサツで家事も苦手。大口開けて笑うし、品なんて微塵もない。
料理らしい料理も作ってあげたことないし、仕事 仕事で…海外飛び回ってたら圭哉は大きくなってた。」
"寂しい思いさせてきたの"
そう続けたお母さんの目はとても悲しそうで、自嘲気味に笑った。
「アムールって、化粧品ブランド知ってる?
フランス語でmon amour…愛する人って意味なんだけどね。」
知ってるも何も、今じゃ世界中で使われてる高級ブランドだもん
知らないはずない。
「知ってます。」
高くて、手を出したことはないけど。とっても可愛いって有名。
「あれ、私が作ったの。」
「……え?うっそ…」
え、じゃあ…社長さんってこと?
あー、やだ!本当に圭哉くんってボンボンじゃん!!!
「いいね〜、その顔!知らなかった!みたいな。クスッ」
そんな私をクスクス楽しそうに笑った後、また真剣な顔に戻ってしまった圭哉くんのお母さんは、