圭哉くんは俺様且つ暴君。

「迎えに来てくれたんだ。」


「この俺を待たせるとは、いい度胸だな小春。」


「…待ってて欲しいなんて言ってないんだけど、な。」


「ぁあ?」


ヒィッ

すごい勢いで睨まれて、もう何も言えなくなった私はまるで、蛇に睨まれたカエル。


「…ごめん、」


「分かったらさっさと来い。帰るぞ。


あ、俺の分の飯はお前作って帰れよ。」


「……え"」


「文句あんのか。」


「…いえ、作らせてください。」


「よろしい。」


そのままスタスタ先に歩き出す圭哉くんの後ろ姿をしばらく見つめて、ハッとした私は


「あ、今日は本当にありがとうございました。すみません、失礼します!」


圭哉くんのお母さんに慌てて挨拶して頭を下げた。




去っていく2人の後ろ姿を見つめて見送る圭哉のお母さんが


「脈あるかもよ?
小春ちゃん。頑張って!」


なんて、言っていた事を私は知らない。
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