圭哉くんは俺様且つ暴君。
そんな誓いを立ててしまってからすぐ。
私は葛藤している。
体育から戻って教室に置きっぱなしにしてあったスマホを手にした私は
《休み時間になったら来い。》
なんちゅー上から目線!ってな、メッセージに頭を抱えている。
もちろん、差出人は圭哉くんで。
ついさっき、圭哉くんから離れると決めた私にとってはバッドアクシデント極まりないのです。
「ど〜しよ…。」
ボソッと呟いてみても、答えは出ない。
休み時間…つまり、次の授業までのことを指しているわけで…
つまり、今じゃん?
行くなら今行かなきゃ間に合わない!のに…チラリ夢子ちゃんを見れば、無言のまま首を横に振られてしまう。
……そうだよね。
離れるって、こういう事だよね。
「鈴木さん!」
教室の入口から、不意に名前を呼ばれて振り向けば
「峰岸くん、どうかした?」
そこには、ドアに片手をついて私に手招きする峰岸くんがいて、不思議に思いながらも
圭哉くんからのメッセージのことは、頭の片隅に追いやって急いで峰岸くんに駆け寄った。